ハーモニーファミリークリニック新築工事

外観全景(左:NPO法人Harmony「カーサ・ソレアード」、右:「あるぷす薬局高畑店」)
敷地内の三つの建物は、それぞれ別のオーナーさんが建て主です。
福祉・医療・薬局事業の垣根を越えた連携体制を強化すべく、同じプロジェクトとしてお手伝いをさせていただきました。
外観は三棟の個性を活かしながらも三角屋根という共通項を持つことで、一体感のある街並みを表現しています。

外観全景(右:薬局、左:カーサ・ソレアード)
隣接の障がい者福祉施設「カーサ・ソレアード」、調剤薬局とは用途も空間の使い方も異なりますが、
お互いの「調和(ハーモニー)」をテーマに設計。
3棟の外壁のベースカラーには同じ仕上の色違いをそれぞれ選択、建物の高さもお互いに揃えて一体感を創出しています。

西側外観
患者さんを広く迎え入れる大きな三角屋根がシンボル。
車寄せと玄関のスペースがしっかりと確保され、送り迎えの際にも安心です。

車寄せ
大きな屋根は、雨の日の送迎でも利用者さんが濡れずに建物内へ移動できるように寸法を検討。
雨の日も寒い日も温もりを感じてもらえるよう、天井も木目で仕上げています。

待合室
明るいインテリアと高い天井で、患者さんの気持ちを和らげるように配慮しました。
左に見えるガラス戸は玄関。ソファに座っていても入ってきた患者さんと目が合わない配置です。
右奥に見える引戸の部屋は、高熱等の症状に対応した特別待合室。

待合室
木造では希少な、柱の無い大空間です。これは大屋根を支える構造部材「かぼちゃ束」の成せる技と言えます。
「かぼちゃ束」とは、天井の中央頂部で十字の登り梁を束ねる、かぼちゃのヘタのような短い柱状の部材。
右奥はキッズコーナーですが、視界に柱が入らないので、待合のソファからもお子さんにきちんと目が届きます。

待合室に隣接するキッズコーナー
カーペットには可愛らしく健康的なピンク色を採用。クリニックのイメージカラーです。
ポップなアクセントクロスと組み合わせ、おもちゃ箱を開けたような楽しい雰囲気に。

待合室からつながる授乳室と特別待合室のサイン
授乳室には洗面器とおむつ替えのスペースがあり、小さなお子様連れの方にも安心です。
サインのベースカラーにも、クリニックのイメージカラーのベビーピンクを採用。

受付カウンター
カウンター横はインフォメーションコーナー。壁は掲示板仕様、台上にあるガラスの仕切板はパンフレット立てです。
カウンター下にはバッグ置場の棚板も。お子さま連れの大きめバッグも安心して置けるサイズです。

中待合室
高い天井によってできた高い壁面には、「光塔屋」と呼ぶ採光用の高窓を設けました。
北面ならではの安定した光を採り込むことで、時間帯や季節を問わず穏やかなリラックス効果が得られるのです。
床に付いた地窓からは、庭の植物が眺められます。

光塔屋
中待合室の高窓を外から見た写真。三角屋根から可愛らしく飛び出ています。
建物の中で一番高い位置にあり周りに遮るものが無いため、ふんだんな採光が可能に。

中待合に面する庭
敷き砂利と敷石を持つ小庭は、和のテイストを取り入れた落ち着いた雰囲気。
春のハクサンボク、夏のヒメシャラ、秋冬のホソバヒイラギナンテン―。
季節のお花や実が目に楽しく、室内の待ち時間をも癒してくれます。

浜北区にある内科、小児科、皮膚科、産婦人科など幅広い分野を診療されるファミリークリニックです。
地域に根ざしたファミリークリニックとして老若男女誰もが安心して通えるよう、
大きな三角屋根が人々を優しく迎えるデザインとしました。