外観全景
大きな「木のキューブ」に勾配屋根を差し込んだようなデザインが、来院の方々をゆったりと迎え入れます。
門の形から着想を得たエントランスは、ダークブラウンのタイルで重厚感を演出。
全体の優しい色合いを引き締める役割も担います。
西側外観
閑静な住宅街である敷地周辺には、ガーデンタイプの集合店舗や小さな公園などの憩いの場も点在。
こうした周辺の「文脈」をふまえ、敷地内の随所に植栽をバランスよく配置。
通り沿いではベリー類やアオダモなどが、季節ごとの彩を周囲に添えています。
北側外観
手前から奥に向かって屋根の上がっていく建物は、夕刻には高所の電飾サインを含めた温かな照明でお出迎え。
初めての方でも周囲が暗くても、すぐに視認できます。
建物正面の駐車場は、大きめの車や運転が苦手な方にも留めやすい広々とした設計。
外壁
タイルや木のざっくりと優しい質感を、様々な形状で組み合わせて表情豊かに。
背の高いオリーブの木も、一年を通じてやさしい緑を添えてくれます。
アプローチ・エントランス
患者さんをしっかりとお迎えする「門」の存在感をイメージ。
フラットに張り出した軒先は、雨の日の送り迎えにも優しい設計です。
風除室
アイボリータイルが放つ焼き物の温もりと、ステンレスのサインが与えるシャープな印象を対比させています。
受付から風除室を臨む
建物に入って最初に向かう受付は、まさにクリニックの「顔」です。
吹抜けを設けて圧倒的な高さに窓を設けることで、プライバシーを守りつつも明るい光を受付へ届けます。
シーリングファンで空気も心地よく循環。光と風の通う空間で、さわやかな対話をサポートしています。
待合室
外観で見せる「木のキューブ」は内部空間へ連続。勾配天井を差し込み、待合空間に拡がりを持たせています。
インテリアは明るく柔らかな色と素材をベースに、ブラウンで全体を落ち着かせています。
存分にリラックスできるよう、ソファは1人がけタイプを採用。張り生地は防汚抗菌仕様の特殊ファブリックです。
待合室より中庭を臨む
この壁面は南側で、太陽の光を存分に受け取ることができる面なのです。
そのため上部4箇所の正方形の窓で、視線の位置に窓を設けずに明かり取りを。
床に近い地窓からは、タマリュウにマンリョウ、クリスマスローズなど和洋折衷の緑が顔を覗かせます。
待合室より見える中庭(夜景)
和洋折衷の植栽を、サビ砂利と御影石で落ち着きのあるテイストにまとめています。
常緑樹のハイノキとハクサンボクは、季節がめぐれば花や実でも楽しませてくれるでしょう。
診察室
調湿・消臭効果のある多孔質タイルをアクセント壁に採用しています。
窓が開いているのは、外から視線が入らない中庭側。リラックスして診察を受けられる仕様になっています。
防音の引戸を採用しているため、どんなことでも気兼ねなく相談できます。
トイレ前室
鏡まわりには吸湿・消臭機能のある植物性素材のタイルを採用しています。
隔てパネルは、入室者同士の気配のみを伝え不意に顔を合わせずに済むよう、半透明のものを配置。
磐田市にある心療内科・精神科のクリニックです。
周辺環境との調和、患者さんのプライバシー保護を考慮し計画しました。
中庭、吹抜、開口部の配置に工夫を施した、光や緑を存分に感じることのできる設計です。