●経歴
1930年 岐阜県生まれ
1952年 東京美術学校建築科(現東京藝術大学)卒業
1952年 (財)建設工学研究会・池辺研究室入所
1957年 連合設計社設立後、(株)連合設計社市谷建築事務所に改組
現在、代表取締役会長
1973年 日本大学理工学部非常勤講師
1988年 熊本大学客員教授
1993年 東京藝術大学客員教授
2003年 吉田桂二の木造建築学校(現技組)開校
2004年 吉田桂二の木造建築学院(現匠組)開校
2015年 永眠
●資格
工学博士・一級建築士
全国町並み保存連盟顧問
日本ナショナルトラスト保存活用委員
飯田市大平宿保存再生協議会理事
若狭町熊川宿重要伝統的建造物群 保存地区審議会委員
愛媛県内子町八日市 護国重要伝統的建造物群保存地区審議会委員
生活文化同人代表
●著書
間取りと架構の教科書<エクスナレッジ2008>
木造住宅設計教本<彰国社2006>
間取り百年<彰国社2004>
ディテールで読む木の建築<風土社2003>等多数
私は必ずプランを作る際には鉛筆で手書きします。現在設計士のための学校『吉田桂二の木造建築学校』も主宰しておりますが、その課題もすべて鉛筆で手書きしたものを提出するように課しています。
もう長年この仕事に携わっておりますので、図面はすべて手書きですがコンピューターを使うよりも早いと思いますよ。私の中では、機械はあくまでも事務機。使えといわれれば使えますが、やはり思ったものを形にするということを考えると必要なのは感じながら表現するということだと思います。
設計するときには『手』と『目』だけで作りなさいと指導しています。言いかえると頭を使わないことですね。作る家の間取りや空間などは、イメージできれば素直に手が動き自ずと出来上がっていくものです。
ですから私は設計する時には迷いません。頭で考えるから迷うのです。そして迷ったら良いものは絶対にできないと思います。
空間が何を語るか。設計士であればそれは自ずと湧き出てくるものだと思います。自然の造形こそが最も優れていると考えます。
何よりも住む人の快適さを第一に考えます。そして、そこにデザイン性を附随させて形にします。
その土地の風土によって快適さは異なります。ヨーロッパでは屋根や床にはすべて木が使われています。これはヨーロッパでは雨が少ないからできることであって、日本では向きません。
また、私は一間間グリッドという工法を推奨しています。
これは、一間(いっけん)=1.818mの格子状のグリッドに沿って間取りをレイアウトし柱は1間間グリッドの交点に建てます。こうすることで、間取りと架構の合一が図られます。
一間間グリッドを採用することで、合理的な架構となり、太い材がいらなくなり木材の使用量が少なくなるために、ローコストでエコロジカルな建物となります。ローコストでエコロジカルということは建てる人にとっても、社会にとっても良い事です。
ですから、この工法を薦めていくことが私の使命だと考えています。
一般レベルよりは少し上かな(笑)
元々私の学校の匠組みはレベルが高い生徒が多いですから、その中でやっているので実力はあると思いますよ。
ちょっとおとなしい面もありますね。
東海型の気性とでも言いましょうか。のんびりしている感はあります。
建築士というと非常に細かいイメージがありますが、山崎君はのびのびとしているので、いつも出てくる結論が明るくて良いと思います。
そういった意味でも肩肘張らずに建てる人とのコミュニケーションが取れるのではないでしょうか。やはり、家作りはどれだけ相手とのコミュニケーションが取れるかが重要だと思います。
風土に合わせた家作りをするのであれば、地元に根をおろせるような人間にならなくてはいけないと思います。そういうための資質は持っていると思いますし、彼はきっとお施主さんとも友達のような感覚になれることでしょう。きっとそれが彼の最大の魅力なんでしょうね。
吉田桂二氏は、2015年12月9日に病により永眠されました。当記事は生前に作成されたもので、和楽舎設計工房は吉田桂二氏のご冥福をお祈り申し上げます。
「吉田桂二の木造建築学校 匠組」とは、「吉田桂二の木造建築学校 技組」にて「卒業認定」を受けた方を対象にした木造建築を学ぶ場です。
参加者は全国の建築設計に携わる方や工務店さん・大工さんなど、25名程が年間6回の講義に参加をしています。これまでの受講生は述べ200名を超えます。
講義内容は、その回のテーマに沿った設計技法の解説、先生の設計された事例紹介そして次回課題の説明です。毎回出される課題を作成し提出すると、次の講義で先生の評価と添削していただいたものが返却されます。
課題作品の評価がよい場合は、講義内で発表することもあります。
年間に1回は、先生の設計された建物を実際に見て触れて感じるために、見学会が実施されます。