充実した検査部門が備わる内科・消化器内科のクリニックです。小窓の散りばめられた外観は、地域を照らす「行灯」をイメージ。内部で行われる内視鏡やCTなどの検査は何かと緊張するものですが、患者さんの気持ちを和らげる明るくゆとりある屋内空間に仕上げています。医院併用住宅である為、プライバシーには特に留意した建築です。(磐田市)
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                                            【外観】小窓を散りばめた白いキューブ状の棟は初診でも見つけやすいデザインで、夜には地域を穏やかに照らす「行灯」に変化します。外壁のホワイト色は表面形状の異なる3種類のタイルを貼り合わせることで光のあたり方に変化をもたらし、様々な表情を引き出しています。建物全体は3つの棟で構成。道路側のキューブ棟が待合室、中央部のブラウン色の棟が診察室・検査室等と駐輪場、奥のホワイト×シルバー色の棟は併設の住宅となっています。住宅棟はシルバー色のルーバーで覆うことで内部のプライバシーを確保しながら自然採光や通風が得られるよう十分に留意し、職住一体の敷地を形成しています。 
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                                            【玄関】建物正面には玄関周辺から延長するように長い庇を設け、雨の日でも濡れずに送迎や車椅子駐車場、駐輪場からアプローチできる設計となっています。また玄関横の坪庭は御影石・苔・ナンテンなどの和の植物にて構成しており、患者さんの目を和ませ気持ちを落ち着かせる役割を担います。 
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                                            【待合室】交差点に面し窓の多い待合室ですが、外から顔が見えない位置に窓を配置することで患者さんのプライバシー保護に配慮しています。内部にはガラス越しに木々の緑が見られ、明るい光が降り注ぐ待合空間が広がります。散りばめるように配置した四角い窓が、時間帯や天気、季節によって様々な表情の光を室内に届けています。 
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                                            【廊下】待合室から患者さん用トイレへと繋がる廊下は車椅子での通行を想定し、ゆとりある通路幅を確保しました。一般的には閉塞感を感じやすい廊下ですが、窓を多く設け庭の木々が見える仕様とすることで明るく開放的な院内空間を演出しています。 
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                                            【中待合】診察室群に面した廊下的な空間でも患者さんの緊張感を緩和できるよう、天井ルーバーの上部に窓を設け明るく優しい光が入るよう計画しました。 
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                                            【検査待合】CT、レントゲン、内視鏡等の検査の待合で、患者さんの動線は待合室・受付→中待合→検査待合の順に奥へと続きます。検査着への着替え等デリケートな要素の多い検査待合は奥に配置し、普段は扉を閉めることで中が見えないようにしています。待合空間は中待合と同様、ルーバーによって和らげた太陽光が天井から差し込みます。開閉可能な窓からは坪庭を眺めて待つことができ、気候の良い季節には心地よい風が通り抜けます。 
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                                            【処置室】奥のブースは内視鏡検査用のリカバリーコーナーとなっており、近くに更衣室と便所を配置することで検査後の患者さんの動線に配慮しています。 
 
                         
                         
                              
                             
                         
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                             
                                            