ともに歯科医であるご夫妻による開業で、「地域の方々が集まって笑顔で過ごせること」「0歳からご高齢まで通えること」をテーマに、優しく大らかな空間に仕上げました。
建物は、かつて書店であった鉄骨造建築のリノベーション。既存建築の限られたスペースの中でも、こだわりの動線やユニバーサルデザインを実現しました。
【待合室】
医院のテーマカラーに合わせ、またリラックス効果を考慮し、グリーンと木肌の色をベースにしたナチュラルなインテリアに仕上げました。
受付や診察、トイレなどの案内は文字で表記せず、照明や立体ピクト等でシンプルに表現。年齢や心身の状態に関わらず、誰もが直感的に見つけられるよう配慮しています。
ガラス張りの窓面は西側にあたるため、ブラインドは縦型を採用。太陽高度の低い西日に対し、横型ブラインドよりも高い日射遮蔽効果が得られます。
【キッズコーナー】
待合と一体的に使用されるキッズコーナー。アクセント壁紙には北欧の老舗テキスタイルを採用し、待合の穏やかな雰囲気と合わせながらも、キッズが楽しい気持ちになれる鮮やかな色を採用しています。
【診察室】
グリーン色の床を待合から診察室内までひと続きにすることで、治療に対する恐怖心を和らげる心理的効果が期待できます。また、寝た姿勢で診察を受ける時にも気持ちが安らぐよう、天井には落ち着いたベージュ色を配色しています。
ブースタイプの診察室には、姿勢のチェックができるガイドラインを建築の造作で計画しました。
【外観】
診療コンセプトや自然豊かな周辺環境に合うよう、外装色を明るくナチュラルな色合いに全面リニューアルしています。
外構については、医療機器用の水道・エアーの床下配管により床高が高くなった関係で、出入口までのアプローチには車椅子やベビーカーのまま上がれるスロープを新設しました。
正面ガラス張りに沿って配した植栽には落葉樹を採用し、夏は葉が生い茂ることによる日射カット効果、冬は葉が無くなることによる日照取り込み効果が期待できます。