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先週は、住宅の工事の進捗チェックを行いました。
木造住宅の骨格を組み上げる工事である
「建方(たてかた)」の様子です。
 
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この工事を手掛けるのは大工さん。
「建方」の最後には「上棟式」を行うのが習わしで、
大工にとっての晴れ舞台でもあります。
 
さて。
工事としてはまだ前半ですが、
家づくりには「大工さん」以外にも
沢山の種類の職人さんが携わります。
 
例えば一般的な木造住宅で必要な職種は、
ざっと挙げただけでも25種類にのぼります。
 
 
 
■解体
 …敷地内に構造物などがあれば取り除き、
  完全な更地にします。
 
■地盤改良
 …地盤の強度が十分でない場合に地質を改良します。
  今回は土に「固化材」を混ぜ込み
  地盤を硬くしました。
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■鉄筋
■コンクリート
■型枠大工
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■水道
■空調
■ガス
■電気
■足場組み
■大工
 …木造住宅の建設の主軸となる職人。
 
■防虫処理
 …木材をシロアリなどの食害から防ぐため、専用の薬剤を噴霧します。
 
■左官
 …コテを用いて塗壁・塗床などを施工。
  古くからお城の外壁などでも重宝されています。
 
■屋根(板金職人、瓦職人など)
■サッシ
■断熱吹付
■木製建具
 …木製ドア・引戸などを製作する職人。
  障子の格子など、伝統的な木組みも行います。
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■内装
 …壁紙や床シートなどの内装仕上材を張ります。
 
■家具
 …収納などの造作家具を製作・取付します。
 
■塗装
■畳
■防水
 …バルコニーや屋上の床仕上等を行います。
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■外構
 …地面の舗装や塀・フェンス等の設置を行います。
 
■庭師
 …植栽や庭石などを施工します。
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■クリーニング
 …工程の最後、お施主様に引渡す前に
  粉じんや水ハネ等をきれいに清掃します。
 
 
 
 
どれも高い専門技術が求められるため、
1人の職人さんが何種類も兼用するケースは
原則ありません。
 
また、各職種とも複数人のチームで施工しますから、
人数としては複数倍になります。
 
お施主様の夢が詰まった建築は、
職人達の手仕事の集大成でもあるのだなぁ…と
改めて感慨深くなります。
 
ちなみに
これが大型施設になると、
種類も人数もさらに増えていきます。
 
そして
これら技術者集団をまとめるのが、
現場監督さんの役割です。
 
現場監督には現場の安全管理はもちろん、
工程や品質の管理として
先を見据えた迅速で正確な判断が求められますから、
そのリーダーシップには感服の一言です。
 
また、私達建築士には
設計図どおりに工事ができているか確認する
「工事監理」という業務が法的にも求められます。
現場のスピード感に乗って、
的確なチェックや助言ができるよう
日々研鑽しています。
(工事監理についての記事はこちら
 
 
設計内容も工事で関わる方々も、
現場ごとにまさに一期一会。
完成まできちんと見守ってゆきます!
 
 
 
(スタッフ:里沙)
 
 
【works(浜松 磐田)】

医療情報誌「BRIDGE」2022年vol.2に掲載されました!

2022/05/30

ニュース,講師・取材等

医療情報誌「BRIDGE」2022年vol.2に、
代表 山﨑正浩の取材記事が掲載されました!
 
掲載220529.jpg
 
「心地よい院内環境」についての特集記事にて、
建築士の視点から「空間」を切り口に
お話ししています。
 
タイトル.jpeg
 
「BRIDGE」を読まれるのは
全国の「かかりつけ医」の先生方。
地域医療を支える先生方の
お役に立てることを祈って、
事例を交え惜しみなくお話しさせていただきました。
 
(発行:第一三共株式会社様)
 
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和楽舎設計工房の医療福祉施設専門サイト
「WARAKUSHA」でも、メディア掲載を記念して
動線計画の抜粋記事をアップしています。
こちらもぜひ、ご覧ください!
 
 
▼関連コラム▼
 

 

少しづつ
都道府県を越えた移動がしやすくなった最近。
みなさんは遠出などされましたか?
 
私も少し移動が増え、
県外の友人がこちらに来てくれる機会も戻ってきました。
 
そんなこの春、
県外の「建築女子」と行った浜松の建築をご紹介します。
 
 
行ったのはこちら。
藤森照信氏が設計した「秋野不矩美術館」です。
 
 
 
 
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建築史家でもあり、そのデザインから
「縄文建築家」とも言われる藤森氏。
 
この美術館も鉄平石の屋根に
藁(ワラ)や焼杉で出来た外壁など、
日本古来の自然素材でできています。
 
ちなみに…美術館は静かな山の上。
アプローチの途中には
宇宙船のような造形の茶室もあり(画像右側)
一帯まるごと異空間のようです。
 
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館内は古民家を思わせる空間。
 
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展示室へは靴を脱いで上がり、
床に座って作品を鑑賞できるスタイルです。
撮影禁止でしたが、展示室の床材は凹凸があり、
足の裏に触れる質感も鑑賞の記憶の一部となりました。
 
 
温もりを感じる素材感ながら
全体は直線的なモダンデザインでまとめられ、
古代と現代の融合が美しい建物です。
 
 
 
 
私は美術館に行くと
気になるものを無意識に
触りそうになったり、
感動して声を出してしまって
スタッフの方に注意されることも多いのですが
(ごめんなさい!)、
この日は良いこともありました。
 
展示準備中のため非公開だった階段室を、
特別に見せてもらうことができました!
 
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壁は杉板で木目をつけたコンクリート。
天井は杉材で組まれた格子やルーバー。
 
華奢ながら丸みのある手摺や
ぼんぼりのような照明も愛らしく、
有機的なぬくもりと
清潔感とのバランスが絶妙です。
 
 
一緒に巡ったのは、建築・インテリアの尊敬する先輩であり
気さくで楽しいお姉さん的存在。
浜松の自然に触れながら、
仕事のこと、プライベートのこと、美容のこと、食のこと…
色々話して、それはもう楽しい時間でした。
 
直接会って話したり、
空間の「空気」を感じることの尊さを再確認した一日。
そんな尊さを表現し伝えていける建築士でありたいものです。
 
 
 
 
(スタッフ:里沙)
 
 
【works(浜松 磐田)】

サイト内に、設計事例を追加しました。

 

「リフォームのケイズ」様 倉庫

タイトルクリックで紹介ページに飛べます

「リフォームのケイズ」様は浜松市南区の工務店。
倉庫の基本デザインと施工をケイズ様にて行い、和楽舎では実施設計と工事監理を担当しました。


ページ内では、内観の写真や設計時・施工時のエピソードもご紹介しています。

どうぞご覧ください。

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設計事例一覧はこちら

今回は、
このサイトの「プラン例」に新しく追加した
「浜松・山手町の家」について、
さらに掘り下げてご紹介します。
 
住宅街の中で自然豊かな環境を作ったプランです。
どうぞご覧ください。
 
 
(立面図)
 
場所は浜松市中区。山手町に実在する土地が本プランの敷地です。
 
地図 山手町.jpg
(地図:国土地理院より)
 
 
山手町は浜松中心部にほど近い、高台に位置する住宅街です。
いわゆる高級住宅街として
落ち着いた雰囲気を保ち続けています。
 
 
家族構成はこちら↓
 
夫…40代 医師。 市内にてクリニックを経営。
妻…40代 看護師。 市内病院、大学にて非常勤。
子ども(兄)…小学校高学年
子ども(妹)…小学校中学年
 
 
普段はそれぞれに仕事や学校、塾、習い事と忙しい一方で、
休日には思い切り外遊びを楽しむ家族。
住宅も、自然界の中で毎日を過ごせるような環境を計画しました。
 
 
それでは実際のプレゼン図面に沿ってご紹介します。
 
 
 
 
【配置図・1階平面図】
 
浜松_山手町の家 01平面図1F.jpg
 
南に広く設けた庭には低木から高木まで彩ゆたかな木々を配置し、
明るい光と豊かな緑を室内に存分に取り込める計画としています。
 
 
 
 
 
さて。こちらの書き込み図をご覧ください。
 
配置図書き込み.jpg
■建物配置
図の右下・南東方面は隣家がなく眺望や採光も申し分ないため
全体として南東に向かって開けたつくりにしました。
 
■玄関アプローチ
浜松では玄関まわりを計画するにあたり、
冬の「遠州のからっ風」対策なしでは考えられません。
 
「遠州のからっ風」とはこの地域で冬に吹く風で、
西(図の左側)から冷たく強い風が冬は毎日吹き込みます。
 
出入りの度に室内に冷たい風が吹き込まないよう玄関は西面を避け、
北側に回ってドアを開けるアプローチとしました。
 
■車庫・駐車場
車社会である浜松では、
車庫から室内に直接入れる動線があれば
雨の日や買い物後、子連れでの帰宅などが
非常に便利です。
この計画でも、
車庫から土間収納を経由して
玄関ホールに到達する動線を確保しました。
 
車庫の配置は
人通りの少ない北側道路に面したビルトイン形式。
家の出入りが通行人から目立たないよう配慮しています。
 
さらに車庫を北側に配置したのは、
西から吹く「からっ風」対策でもあります。
車庫が西に面していると、
木枯らしの強風と共に吹き込んだ落ち葉などが溜まってしまいます。
 
吹き溜まりを作らないことで、掃除の手間がかからない設計としました。
 
ちなみに来客用駐車場は広い西側道路沿いにオープンに配置し、
初めてでも見つけやすいよう配慮しています。
 
 
 
 
【2階平面図】
 
浜松_山手町の家 02平面図2F.jpg
 
吹き抜けを作ることで、子供室と1階ダイニング、庭を緩やかに繋いでいます。
吹き抜けの先には近隣建物もなく視界が開け、目下に広がる庭の景色が楽しめます。
 
子供室・ダイニング・庭の関係性は
こちらの内観パースがあれば、
よりイメージいただけると思います。↓
 
浜松_山手町の家 05内観パース - コピー.jpg
(内観パース)
2階子供室では机に座りながら家族や庭の様子が感じられ、
適度に1階と距離があるため学習に集中できる環境です。
 
 
【立面図】
 
浜松_山手町の家 03立面図.jpg
メイン道路である西側道路正面から見た図面。
植栽を植えることで街に緑の潤いを与え、
内部のプライバシーも守ってくれます。
また、こもれ日の穏やかで明るい光が室内にも届きます。
 
 
【断面図】
 
浜松_山手町の家 04断面図.jpg
 
夏は日射を遮り、冬は温かい太陽光が存分に差し込むように
軒先の長さを調整しています。
 
軒先は、短か過ぎると太陽高度の高い夏の日差しが室内に入ってしまいますし、
長すぎると低めの高度の冬の太陽ですら室内に入れません。
このあたりの調整はある程度は実績や理論に基づいて設計しますが、
最終的にはスケッチで線を重ねながら検討します。
 
 
ちなみに図をよく見ると、
車庫の屋根の頂部が一部オープンになっているのが
おわかりいただけますでしょうか。
このオープン部分の上には2階の屋根が架かっているので、
車庫の中に雨は入りません。
車の排気だけが、上へ抜ける仕組みになっています。
 
 
 
 
「浜松山手の家」のプランをご紹介しました。
住宅街の中でも、少しの工夫で自然の恵みを満喫できる家はつくれます。
 
理想とする自然との関わり方は、人それぞれ。
家づくりや間取りでお悩みの方は、
家の中で感じられる緑や光についても
ぜひイメージしてみてくださいね。
 
 
 
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