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立体表現

2021/10/16

こんにちは
スタッフ初瀬です。

日が沈むと肌寒くなってきましたが、
日中はまだまだ暑い日が続いていますね。


最近部屋の掃除をしていたら、
高校時代に制作した住宅自由設計の模型を発見しました。

当時は、友人と100円ショップやモームセンター等で、
外壁や屋根材に使えそうな材料を見つけに行くのも良い思い出ですが、
懐かしいものを発見すると、なかなか片付けが進まないあるあるに
まんまとハマってしまいました。(;'∀')

和楽舎設計工房でも計画建物の敷地、周辺状況を確認の上、
縮尺を合わせて模型を作り検討しています。

材料のほとんどはスチレンボードですが、建築の模型作りも奥が深い。。

最初はスチレンボードの厚みが厚いとカッターのは入りが斜めになってしまったり、
カッターの引きが悪いと、側面に見えるスチレンボードが
削れてしまったりしてしまいました。

切り方がうまくいくと材料と材料のくっつきも良くなったり
完成した見た目も良いし一石二鳥。

立体になればお客様の理解や、もっとこうした方が良いなと思う点も出てきて
より良い建物が生まれるのではないかと思います。

特に作業していて屋根の勾配は立体で見えてくるものが多いなあと思います。
図面の立面図では、正面から見た図となりますが、
実際私たちが多く目にするのは地面からであり、正面から見ることはほとんどありません。
建物が建ったときの地面の高さでの人の目線で検討できるのは立体で表す良さです。


細かい作業も怠らないことは建築設計にとって重要なことだと日々感じています。

幼いころから、何かをつくることが好きだった私にとっては
模型作り、細かい作業は得意分野な気がしています。

これからも、お客様にとってより良い建物づくりのお手伝いができるよう
精進してまいります。


IMG_9630.JPG



▲所長にもらった立方体の角部処理が美しい模型の写真を貼っておきます。

季節の代わり目、
体調には気をつけて過ごしたいです。

(スタッフ初瀬)

 

【works(浜松 磐田)】

 

 

 


 


 

こんにちは。
浜松市の設計事務所、和楽舎設計工房のスタッフ辻村です。
 
市内をバイクで走行中、ニホンジカが学校のグラウンドから飛び出して来て驚愕しました。
シカとの距離は10mほど、バイクと同じくらいの大きさで立派な角があるオスでした。
数秒早く通過していたら横から激突されていたかも?と背筋が寒くなりました。
 
シカはその後、何事もなかったように、北の方角に逃げていきました。
早朝だったので、子どもたちがいなくて本当に良かったです。
郊外とはいえ、住宅も立ち並ぶ場所で、まさか、シカに出会うとは思いもしませんでした。
皆様も、まさかにお気を付けください。
 
さて今日は住宅の建具についてお話したいと思います。
 
引き戸という、扉を横にスライドさせて開閉する建具の話です。
 
開き戸(ドア)と違い、引き戸は開閉をする際に開閉スペースが不要なので、狭い場所や車いすに乗ったままでも利用しやすいという利点があります。
 
引き戸は、レールや溝の上で扉を動かすもの、下にレールがなく上部のレールに扉を吊って動かすものがあります。
我が家の洗面室の出入口は、Vレール式(下にV型のレールがある)の片引き戸になっています。
 
子どもの靴下がいつも砂だらけなので、洗面室で脱ぐ際に床に砂が散らばり、毎日1回は掃除機をかけているのですが、どうしてもVレールに砂がたまってしまいます。
Vレールを上を戸車(扉の下に付けられたタイヤ)が動くたびに砂をかんで削ること10年、ガタツキが限界に近づいてきました。戸車とVレールの交換が必要になったのです。
 
もともとは左端のようにブロンズカラーのVレールだったのですが、戸車のあたる部分は削れシルバーになってしまいました。

現在のVレール

 
上吊り式の片引き戸だったなら、砂に困ることはなかったでしょう。
掃除の手間も減りますし、子育て住宅では特に「上吊り式」をお勧めします。
近年の引戸は、開けたら自動で閉まる機能や、指を挟まないよう閉まる直前にブレーキがかかる機能などがあり、とても便利になっています。
 
デザインが良いのはもちろんですが、家族みんなが使い易く、掃除が簡単でメンテナンスフリーな住まいが何より最高ですね。
 
(スタッフ・辻村)
 
 

 

 

 

 

 

こんにちは。
スタッフ 里沙です。
 
 
今日は「フォント(書体)」についてご紹介します。
 
建築のデザインとフォントには
とても密接な関わりがあります。
例えば医療福祉施設の設計では、
看板や室名表示のデザインに登場します。
 
ここで使う書体は言わば施設の「顔」であり、
建築の世界観を表現する大切な要素なのです。
 
かと言って、一筋縄では行かないな…と思ったのが、
設計事務所に入って最初に持った感想です。
 
 
民間建築とは言え、地域に開かれたクリニック等では
「ユニバーサルデザイン」をベースに設計します。
 
 
「すべての人が使いやすい」
と定義付けされているユニバーサルデザイン。
 
シャープで繊細なデザインの建築だったとして、
フォントも華奢な明朝体などにしてしまうと
弱視の方や高齢の方は判読ができず、
全くユニバーサルではありません。
 
 
さらに補足すると、
明朝体などのハネ・はらいが明確になった書体だと
「先が尖っている」ことにストレスを感じる方が
一定数いることが、研究などでわかってきています。
 
 
浜松市の「ユニバーサルデザイン指針」でも、
読み取りやすく刺激の少ないゴシック体などが
推奨されています。
 
フォント1.jpg
左:明朝体、右:ゴシック体。
 
 
文字数が多い時の「太ゴシック」は、
かえって読みにくくなるので要注意です。
線と線の間に隙間がなく、字がつぶれてしまいます。
建築も文字表記も、「余白」はやっぱり大切ですね。
 
フォント2.jpg
 
 
 
ちなみにゴシック体のデメリットとしては、
 
・角ばっていて「強い」印象
 
といったことが挙げられます。
 
そこで文字としての見やすさはそのままに、
このデメリットに応えられるフォントがこちらです。
 
フォント3.jpg
左:教科書体、右:丸ゴシック。
 
 
 
特に左の書体「UDデジタル教科書体」は
 
・書き順、留め、ハネ、払いの運筆がわかりにくい
 
というゴシック体の弱点をカバーしながらも、
視覚的に刺激の少ないやさしい書体として
開発されたものです。
教育機関など子ども向けの施設に、
とてもおすすめです。
 
また、教科書体は丁寧な印象を与えられるので、
ゆったりとした時間を提供したい空間との相性も
抜群です。
 
 
フォントはどんどん種類が増えていて
選ぶのがとても楽しく、
つい時間を忘れてしまう私です。
 
 
 
なお、建築全体のユニバーサルデザインについては
所長のコラムでもご紹介しています。
どうぞご覧ください!
 
 
個人病院のユニバーサルデザイン
 
 
 
 
 
 
参考:
ダイヤモンドオンライン
 
 
(スタッフ:里沙)
 
 
 
 
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景観について

2021/09/25

こんにちは、
スタッフ初瀬です。

9月も下旬となり涼しくなってきたと思ったら、
真夏のような暑さが続く日々ですね。(;'∀')


今回のテーマは浜松市の景観条例について。
浜松市では大規模建築物に該当すると景観条例に基づく通知が必要となります。
最近、設計業務の中で大規模建築物に該当するものが多かったので、
今日のテーマとしてみます。

 

IMG_8926.JPG

大規模建築物として規定されている規模として、
新築・増築・改築・移転・外観を変更することとなる修繕
もしくは模様替えまたは色彩の変更とする建築物の
高さ15mを超えるものか、同一敷地内の建築面積が1,000㎡を超える建築物です。

最近業務で行う物件のうち、ほとんどは外壁改修工事の設計で、
同一敷地内の建築面積が1,000㎡を超えるものに該当するものが多いです。

調べたところによるとイメージとして、1,000㎡とはテニスコート5面分くらいの広さです。

浜松市の景観条例は『周辺景観の基調色に近い色相や明度とし、彩度は抑える』が基本方針です。

景観条例が適応される前の学校の体育館等の屋根は意外と派手なものが多く、
改修工事を終えたと思ったら何かが違うと思った経験はないでしょうか。

外観が塗替えによりきれいになったこともありますが、
景観条例により明度や彩度が落ち着いた色になったためかなと思います。

また、景観条例では色による規定のほか、
エアコン等の室外機や、設備配管は道路側、
不特定多数の方の目につきにくい配置とすることとあります。

見えない配置とするのがベストですが
植栽を植えて緑化を図りながら目隠しをしたり、
フェンスで目隠しをしたりという工夫もなされます。


私たちはどんな建築物でも設計をするときは
その街並みに合った外観、配置であるかを考えます。

街並みに合わせつつも、存在感がありデザイン性のある建築物をつくり
街並みをつくっていくのも建築家設計士としての使命だと感じます。

これからも自然体を大切にして設計に取り組んでいこうと思います。

ちなみに私は将来、外構にもとことんこだわった家に住みたいという密かな願望があります。
最近ではエクステリアプランナーといった資格も人気だそうで、
外構分野も勉強しようかと思います。
やりたいことが多すぎて、空回りしないように気を付けます(^^;

今月もあと一週間、頑張りましょう!


(スタッフ:初瀬)

 

 

 

 


 

設計事務所の仕事

2021/09/17

浜松市の設計事務所・和楽舎設計工房スタッフ・辻村です。
 
先日、見掛けた木造住宅の現場で通し柱がなく、ウッドショックの影響かなと推察しました。よく見てみると、他の現場でも通し柱がない建物が多いように見受けられます。
構造的には、接合部を通し柱と同等以上の耐力を有するように補強した場合、隅柱を通し柱としなくても問題ありません。
今、手に入る材料でより良い住まいを建てられると良いですね。
 
このウッドショックを機会に、国産材がもっと多く流通するようになり、林業が活性化して植林された山が全て無花粉スギ・無花粉ヒノキに変わったら、花粉症の症状も軽減されて、国全体の医療費も確実に下がって良い事ずくめなのですが…。
 
 
今日は、設計事務所のお仕事を紹介したいと思います。
 
設計事務所というと、プランを考えたり、設計図を描いたりしていると想像されると思うのですが、それ以外に積算という仕事をする時もあります。
今もちょうど、とある建物の積算をしている最中です。
 
積算とは、設計図や仕様書から、使用する材料の数量を計算して、建物を建てるのに必要な工事費を算出する仕事です。
誰が積算しても同じ結果となるように、数量の算定にはルールが決められています。
「建築数量積算基準」というものがあり、この基準に定められた計測・計算方法で積算をしていきます。
 
建築数量積算基準と刊行物
 
例えば住宅なら、
外壁の面積㎡×単価(1㎡あたり材料・施工費込で〇円)
外壁出隅に必要な役物〇m×単価(1mあたり材料・施工費込で〇円)
基礎と外壁取合いの水切り〇m×単価
 〃 水切り出隅に必要な役物〇か所×単価
軒天と外壁の見切縁〇m×単価
と積み重ねていくと、外壁工事に必要な費用が算出されます。
 
根気がいる作業ですが、全て積算し終えると達成感があり、清々しい気分になれます。
例えるならば、数独を解いたような気持ちでしょうか?
 
以上、設計事務所のお仕事紹介でした。
 
(スタッフ:辻村)